作家名:廣瀬 祥子
作品サイズ:H618× W444× 45 mm
素材・技法:アクリル板にUV印刷×3、塩ビ板にUV印刷×1、UV樹脂、グリッターパウダー、ホログラム用紙、オリジナルフレーム
制作年:2026(加筆あり)
作品ステートメント:
情報化が極限まで進行した2126年の渋谷を舞台に、「デジタルイメージと物質としての現実の境界」をテーマに制作した作品になります。
ネオン広告や無数の情報群によって覆われた都市空間は一見、高度に発達した未来都市のようでありながらも、その風景にはどこか現在の渋谷の延長線上にある雑多さや猥雑さが残されています。 本作で描いた渋谷は、過去に想像された「完全な未来都市」にはなりきれなかった都市であり、過去に思い描かれていた未来像と、現在の渋谷の延長線上にある猥雑な都市風景が混在した、未完成な未来としてそこに存在しています。 画面中央の少女が持つ透明な袋の中では、ぬいぐるみが溶け出すように崩壊しています。 大量生産されたキャラクターや消費されるイメージの象徴でもある「ぬいぐるみ」は、本来データや記号として存在していた虚構が、物質的な重力や質量を伴いながら現実へと還っていく様を表現しています。
均質で無機質な「情報」として流通していた存在が、崩れ落ちながら再び「物」として観測される様子を描いています。
こちらの作品は、厚みのある額装内部に、デジタル環境で描画したイメージをUV出力したアクリル板3枚と、遠景の巨大ビルを印刷した塩ビ板1枚を重ねた、合計4層構造の半立体的な作品となっています。 さらに内部には、光の反射によって見え方が変化するホログラム素材の特殊用紙を入れ込んでおり、鑑賞する角度や周囲の光の環境によって画面の印象が変化し続ける構造になっています。
それぞれのレイヤーには、アクリル絵の具、UV樹脂、グリッターパウダーを用いた手作業での加筆を施しており、均質なデジタルイメージの中への物質的な揺らぎを生じさせています。 平面的な「情報」として生成されたイメージが、現実空間の中で再び「物」として立ち上がっていく過程を作品にしています。
作品証明書・専用箱付き
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